東京女子体育大学バスケットボール部

[連載]監督・及川佑介よりひとこと

2018年6月6日(水)

先日,授業の中で学生らと理想の指導者・教育者について話題にしました。

ある学生が,全力で向き合ってくれる人が良いと述べました。私も同感で,全力で,選手に,バスケットボール競技に,向き合っている指導者をみると嬉しくなりますし,元気が出ます。

まだまだ私は,一部分の指導者としか会っていないと思うのですが,これまで,多くの魅力的な指導者に会うことが出来ました。そうした魅力ある指導者にはいくつか共通する点があります。その一つは,いま,目の前にある技術・戦術に疑問を抱きながら,深化させようとしていることです。こうしたことを日々,高齢になった指導者でも,行っている様子をみると,私にはもっと出来るはずだと思い(若いから),机に向かい,練習や試合,選手やチームのことを考えるようにしています。

以前,私よりももっと若い指導者で,指導やチーム作りに,迷い困惑している様子の指導者に会いました。私も若いのでどうこう言えるわけではありませんでしたが,私が好いている指導者は,「こうしたことをしていた」,「こういうことを言っていた」などと,共にバスケットボール競技について話したことを覚えています。

4年前,私が会って話してみたいと思っていた,ある指導者の練習をはじめて見学した時です。その指導者から私も指導に迷っているようにみえたのだと思います。その指導者に,「指導に(チーム作りに)迷った時は,選手の顔(表情)をみればいい。」と教えてもらいました。正直,私は,指導者として誰もが一流と認める人が,この言葉を述べることに驚きがありました。この指導者は,強いチーム作り,優秀な選手を育てる根本に,上記の言葉,考えがあるからこそ,一流の指導者に成り得たのだと思います。

スポーツの指導法,理想の指導者像,そして,技術,戦術なども含めて,人から人へ,様々な感情の中で取捨選択されながら伝わって行くのだと私は考えています。これは,指導書や映像だけでは伝わらない,暗黙知的要素が含んでいるように思います。だから私は,良いと思った人・指導者には,勇気を持って会いに行き,話して,感じて,考えた上で,部員らと向き合っていければと考えています。